実家の猫
くぅちゃんだんきち
実家には2匹の猫がいます。
キジトラのくぅちゃんとハチワレのだんきち。
だんきちは母の友人宅で手のひらサイズの頃保護されて以来実家の子になりました。9歳男子。母と一緒の生活を乱しに来る?私をあまり歓迎していません。いつも騒がせちゃって悪ぃな、だんきち!
くぅちゃんは年齢不詳のタヌキっぽいまん丸体型の女子です。私が実家にあと10メートル位の所に近づいた足音を聞きつけると2階の押し入れに隠れてしまう位の臆病にゃんこ。
今回はこのくぅちゃんのお話です…
以前、母はコーヒーの豆を売るお店を経営していました。お店の片隅には淹れたてのコーヒーを座って飲めるスペースもあり、その日も数人のお客さんがお喋りをしていました。
そこに常連さんの1人、Kさんが慌てて入って来ました。
「お母さん(母はお客さんにお母さん、と呼ばれていました)僕の勤め先にとても可哀想な猫が保護されたんだけれど、もし良かったらその猫をお母さんの家の子にしてもらえないですか?」
Kさんの勤め先は、お店の傍にある保健所です。
数日前の朝、保健所の守衛さんが出勤した時です。門の前にスポーツバッグが置かれていました。中には怯えた目をした猫が1匹詰め込まれていて…早めに出勤したKさんもたまたまその場に居合わせ、猫はそのまま保健所に保護される事に。
まるで「物」のように棄てられた猫のあまりの痛々しさ…悲しそうな顔…Kさんは忘れる事が出来ず考えました。
誰かにあの子を引き取って貰えないだろうか…
その時、いつもコーヒーを飲みに行く店の母の事をKさんは思い出しました。数ヶ月前に可愛がっていた飼い猫のくんちゃん(保護猫で、長毛のおっとり可愛い子でした。)を急な事故で亡くし、母がとても落ち込んでいた事を。
そうだ!お母さんなら相談に乗ってくれるはず…!
母はKさんの話を聞き、翌日保健所に猫を見に行きました。
保健所の施設には迷子になって保護されていたり、棄てられて怯えながら処分を待つ犬や猫達の声が響き渡っていて…足を踏み入れるのが辛い位の悲しみの中に、その子は小さく縮こまっていました。
家の子になろうね。
目が合った瞬間に母は決めていたそうです。
くぅちゃんの食べ物の好みや穏やかな性格などから、以前は年配の方に飼われていたのかな?何か事情があって(飼われていた方が急病や亡くなってしまった、とか…)無理矢理捕まえられ保健所の門の前に棄てられた?などと母と私で色々想像していますが、真相はわかりません。
くぅちゃんが私たちとお話できれば良いんだけどね…
未だに心を母以外開いていないくぅちゃん。
やっと最近、頭を少しずつナデナデさせてくれるようになりました…
くぅちゃんからゴロゴロスリスリしてくれるようになるのはいつかな?
いつまでも待ってるからね!ホントだよ。
くぅちゃん。